結婚にまつわる風習、儀式には地域ごとに様々な特色があります。出身地が異なる者同士が結婚する場合、「ええっ!? これって一体……」ととまどうことがあるかもしれません。
そこで今回は、全国各地の結婚にまつわる個性あふれる習慣についてご紹介します。(※1)
■1:新潟県の『婿投げ』
新潟県十日町市松之山町の湯本地区では、1月15日の小正月に新郎を雪の中に投げ入れるという『婿投げ』という儀式があります。
新郎は、お堂で胴上げされた後、お堂から望む高さ約5メートルの崖から高く放り投げられるとのこと。かなりびっくりな風習ではありますが、湯本地区は豪雪地帯。雪がクッションとなって、新郎の身体には危害が及ばないそうです。
■2:富山県の『巨大蒲鉾』
富山県では、引き出物に欠かせないのが細工蒲鉾。鯛や鶴、亀、富士山などの縁起物をかたどったものですが、なかには全長50cm近くにも及ぶ巨大なものもあります。
鮮やかな彩色のほどこされた細工蒲鉾は、食べるのがもったいないくらい。また、結婚式で『ケーキカット』ならぬ『かまぼこカット』が実施されることがあるのも、富山ならではの風習です。
■3:岐阜県・静岡県の『餅投げ』
結婚式といえば、花嫁によるブーケトスが恒例ですが、岐阜や静岡ではブーケのかわりに餅を投げる『餅投げ』の習慣があります。また、『餅投げ』以外にも、菓子を投げる『菓子まき』という儀式が東海・北陸地方で古くから実施されています。色気より食い気の女子が大奮闘?
■4:愛知県の『シースルートラック』
婚礼に費用をかけることで有名な愛知県名古屋市では、ガラス張りの荷台を持つシースルートラックが、派手な嫁入り道具を見せつけて走ります。
なお、このトラックは、運転中にバックすることはご法度。『出戻り禁止』という意味がこめられているそうです。ドライバーの運転技術の真価が問われます。
■5:福岡県のの『博多手一本』
福岡県の博多地方では、結婚式などのめでたい席で、『博多手一本』という独自の手締めを行います。
よー シャン シャン
まひとつ シャン シャン
祝うて三度(いおうてさんど) シャシャン シャン(※2)
景気のいいお祝いムードに包まれて、新郎新婦も思わず涙しそう?
いかがでしたか? 全国各地の個性あふれる習慣についてご理解いただけたでしょうか。こうした地域ならではの婚礼は、新郎新婦にとっても周囲の人にとっても思い出深いものになりそうです。これから結婚する人は、式やお祝いごとにぜひ地域の特色をとりいれてみましょう。